Train Love [完]
そっと姫依の背中をさすってあげた


姫依は、涙を拭きこっちに振り向いた


「姫依、お腹すいちゃった」


無理やり笑ってるのがいたくて、涙が出そうになった


けど、姫依は一生懸命笑おうとしてくれてる


だから、あたしが泣いてちゃだめなんだって思った


「お粥できたよっ!」


姫依の前でお粥が入ってるふたを開けた


姫依は、目を輝かせながらおかゆを食べ始めた


おいしそうにほおばりながら食べた


「おいしい?」
「うんっうん、すごーくおいしい、莉子ありがと・・・っ」


姫依は、おかゆを食べながら泣きだしてしまった


さっきとは違って、静かに涙を流していた


それをあたしはただ見てることしかできなかった


たまに、姫依の頭をなでてあげるだけだった


お粥も食べ終わって、姫依は話し始めた


「莉子、変わったね」


姫依の言葉にあたしはきょとんとしていた


「なんか、うまく言えないけど優しくなったよね」


優しくなった?


そうかな









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