Train Love [完]
「優莉ちゃんが生まれてからすごく優しくなった」


姫依は、目をうるうるさせながらあたしを見てきた


「そうかもしれない、優莉はあたしに大事なことを教えてくれたの。人を好きになることも、我慢することも・・・辛いことも」


微笑みながら離し始めたあたしを見て姫依が目を見開いた


「莉子、健太君とはどうなったの?」


今の姫依は、昔の元気な姫依じゃなくて弱っていた


いつもみたいに、ぶりっ子もせずに普通に話してた


「健太君にね、ちゃんと告白した。そして、正式に付き合うことになったの」


いきなりのあたしの発言に、また姫依の瞳が大きく開いた


「・・・」
「・・・」


あたしと姫依の間に、小さな沈黙が続く


「あっ姫依?」


あたしの問いに、姫依は自分を取り戻したのか満面の笑みになった


「えっ?」


姫依の満面の笑みの意味が分からずあたしは首をかしげた


「莉子っ!やったじゃん、すごいよ・・・すごいよ~ぉ」


姫依が嬉しそうにあたしに抱きついてきた


最初は驚いてたあたしだけど、状況を把握して姫依にしがみついた


「姫依~・・・っ本当はね・・・くっ、姫依に居てもらいたかったんだよぉ~」


はんたいになっちゃったね、姫依が泣く日だったのに・・・











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