Train Love [完]
いきなり電話がかかって来たもんだからあたしの体が固まった


もしかして、優莉また熱だいしちゃった?


優莉、朝熱なくて元気だったから大丈夫だと思ったんだけど


携帯を手にとって、誰からかを確認した


知らない電話だ・・・誰だろう


恐る恐る携帯を耳に当てる


「もしもし・・・」
「ケホッケホッ・・・莉子、俺」


すぐに分かった


「健太君!?どうしたの?」
「風邪ひいた、なんか莉子の声聞きたくなってさ」


あの日以来、電話もメールも来なかったのに


「そうなんだ、あっ姫依見つかったよ」
「そっか・・・ケホッ、よかったな」


席交じりで鼻声の健太君の声を耳越しに聞いていた


変な声


「鼻つまってるの?」
「おっ?おぉ、そうなんだよ」


鼻声でガラガラの健太君の声に耐えきれず笑ってしまった


「ちょっ笑うなって」
「くっふふふっ」


電話越しだけど分かる、耳まで赤くして健太君は照れてるはず


「いい加減笑い抑えろぉぉ!」
「ははっ分かったよ、ククッ」


やっとおさまったかと思ったら、姫依が隣でキョトンとして起きていた


「あっごめん姫依起きちゃった、またかけ直すね!」
「おぅ!姫依ちゃんによろしくな」


健太君とバイバイして、姫依のほうへ向きなおった








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