Train Love [完]
「すみません」
「良いんだよ、お前が学校好きだったこと俺は知ってるから」


先生は本当に優し


残酷なくらい優しい


憎みたいのに憎めない


「みんなへの挨拶はどうする?」


そっか、どうしたらいいんだろう


「挨拶、します」


挨拶したほうがいいよね、だってクラスにもお世話になったんだもん


「じゃー、朝のうちにするか」
「はい!」


先生と一緒に教室へ向かった


教室へ入ると、いつものようにみんなが話しかけてくる


何も知らない今が、とても幸せだよ


「莉子今日は来たんだ」
「小宮山お前がこないから俺一人で日直したんだからな」


色んな声が降ってきて答えるのに必死だ


「うん、ちょっと学校に用があってね」
「ごめん、ごめん、ありがとうやってくれて」


男女関係なく接していたらいつの間にか男女に囲まれていた


「お―――い、席付けお前ら」


先生の言葉にみんなが自分の席へ移動した


あたしも自分の席に着いた


何て言おうかな


何ていえばいいのかな


何て言ったら気持ちが軽いかな





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