Train Love [完]
健太君っていうんだよ?


健太君とあたしはね似てるの


同じ日にママをなくして、同じ日に生まれてきた小さな2つの命


それを命に換えてでも守るあたしと健太君


あたしと健太君は、決して楽な人生ではないけど


でも、意味のある人生だった


子育ての大変さ、熱を出したって子供をあやす大変さ


学校でもどこでも、子供が熱を出せば飛んでいかなければいけない


夜は絶対4時に迎えに行かなきゃいけない


あたしの体が壊れても、優莉をそばから離さないこと


辛くてね、やめたいって思ったこともあるの


ママのお母さんに優莉を預けようともした


だけどね、きずいたの


いつも、優莉をおばあちゃんに預ける日は絶対優莉が泣くの


“離れたくないよ”とでも言うかのように


ねぇママ、それは優莉があたしを必要としてくれてるってことだよね?


こんななんの特技の趣味もないあたしを必要としてくれるのは優莉だけなの


優莉があたしのすべてなの


そんな存在を見つけれたこの場所であたしはママと優莉を思いながら仕事をしていく


助産師として、嘘のない優しさを手に入れて見せる


今までやってきたことを、あたしはここで発揮するんだ


ちゃんと、高校卒業できなくてもあたしはこんな立派に育ったよって胸を張って言いたい


ママがいなくても、手伝ってくれる人がいなくても、高校生でも子供を育てられるんだよっていう事を胸張って言いたい


それはわがままなのかな?



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