Train Love [完]
「莉子~、俺行ってくるからなぁ」
「あっはぁ~い」


いつも健太が仕事に行く時、あたしを呼んでくれる


健太に近づいてネクタイが曲がってないかとかをチェックした


「よっし!今日の健太もかっこいいよ」
「ははっ、そっかな?」
「うん!行ってらっしゃい」


そ―言ってチュッとほっぺたにキスする


最近ではこれが日常茶飯事だ


もう恥ずかしいなんて思わない


だって、行って来ますのキスとただいまのキスはおかしいことじゃないから


新婚さんには大切なスキンシップだ


あたしと健太は新婚さんになるんだから、これくらい普通だろう


でも、ママ友とこのことを離してると、ママ友たちは“そんなことしないよぉ”と言って驚いた眼であたしを見る



絶対してる家はしてるんだもんと自分で解決してあたしは仕事場に向かう


健太を見送ると、優莉と健斗君が行く支度をしていた


ふと気になったことを口にしてみた


「健斗君、身長伸びたねぇ。優莉追い抜かれてるよ?」
「マジで!?やったぁぁぁ」


ぴょんぴょんと跳ねて喜ぶ健斗君と


む~とほっぺたを膨らましてる優莉


「あっ!早く行かないと学校遅れちゃう!」


急いで帽子をかぶって優莉は家を飛び出していった


そのあとを追うようにして健斗君が出ていった


家ではあたしとからになったたくさんのお皿たちだけが残った





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