Train Love [完]
それからというもの、月日がたつのは早かった


あの日、あたしが妊娠したことを打ち明けてから、家の中での生活が一変した


健太は早く家に帰ってきてくれてあたしの手伝いをしてくれた


健太がお仕事で遅くなると、優莉と健斗君があたしの手伝いをしてくれた


お風呂に入る時やご飯を食べる時、絶対に誰かがそばに居てくれた


夜寝る時は、健太があたしの背中を絶対にさすってくれた


それに安心してあたしはぐっすり眠って、ストレスを作らないようにしていた


週に1度は、佳奈ちゃんとあった


佳奈ちゃんの旦那さんに逢って、話をした


佳奈ちゃんの旦那さんはすごく佳奈ちゃんを大事にしてるのが分かった


同じ妊婦仲間として、佳奈ちゃんの担当として、旦那さんにきちんと話をした


旦那さんを見る佳奈ちゃんの目はもうすっかり恋する乙女だった


もうかわいすぎてやばいくらいに、旦那さんに惚れていた


2人とも愛し合ってるんだなぁって思った


そして妊娠36週目


出産日を明日に控えたあたしは不安でいっぱいだった


ママみたいに出血多量で死んだらどうしよう


ママみたいに命をはって子供を産めるだろうか


鼻からスイカを出す痛みってどんな痛み?


想像するだけで怖くて、ショック死しちゃうんじゃないかって不安になった


ベットの上でねっ転がってるあたしの手をずっと健太が握っていてくれた


昨日の夜から病院に居るあたしに、ずっと寝ないで付き添ってくれてる健太を愛おしく思った


「健太...お腹痛い...痛いよぉ」


これが陣痛なのだろうか、あたしは分娩室に運ばれて、赤ちゃんを産む体制をつくっていた


あたしと赤ちゃんの長い戦いが始まった



< 212 / 217 >

この作品をシェア

pagetop