Train Love [完]
赤ちゃんが健太の手を握ると、健太は嬉しさをかみしめていた


優莉も健斗君も少し遠慮がちに赤ちゃんを触った


お姉さんとお兄さんになったんだよと優しく問いかけると、嬉しそうに笑った


「岩倉さ―――ん」


看護婦さんがあたしの元へ駆けよって、赤ちゃんをひょいっととって行った


「今日は赤ちゃんも岩倉さんも疲れてるから、赤ちゃんのいる部屋に戻すね」

「はい!赤ちゃんの事、よろしくお願いします」


看護婦さんは赤ちゃんを連れて病室を出て行った


「健太今日は家に帰るの?」

「今日はここに居るよ、優莉も健斗も寝ちゃったしな」


優莉と健斗君を見ると、ソファで2人よりそって眠っていた


気持ちよさそうに眠る2人の姿を久しぶりに見た気がした


寝てたら2人とも天使なのに、起きたらギャーギャーうるさいんだよね


でも、子供ってそこが可愛いところなんだよね


「本当によく頑張ったな」


健太があたしの髪を撫でてそのままキスをしてきた


久しぶりの健太のキスにあたしの心臓はドクドクと波を打った


「心臓の音すごい」

「久しぶりだから緊張しちゃって」


えへへっと笑うと、健太もはははっと笑った


「1週間また逢えないな」

「1週間後、迎えに来てね」

「当たり前だろ、1週間の訓練頑張ってな」


健太と2人手をつないで眠りについた


あたし自身の戦いが始まった






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