Train Love [完]
その優しさに、引かれそうになる


でも、その優しさにひかれてしまえば・・・また同じことの繰り返しだろう


絶対振られる・・・それが怖くて恋愛ができないなんて


あたしにも、苦手なものができたんだと思った


映画が始まって、あたしは出来るだけ映画に集中していた


ジュースを取ろうとして、隣に手をついたら健太君の手と重なった


・・・まって、こっちのジュースあたしのじゃない!


「ごめっ!間違えた・・・」


小声で謝ると、健太君は笑って『大丈夫』と言った


それにほっとして、もう一度あたしは画面に目を向けた


――――ブーブー


マナーモードにしてた携帯が震えた


携帯を取ってみると産婦人科からだった


えっ!?ママになんかあったの?


あたしは急いで、立ちあがって映画の部屋から出た


「はい、小宮山です」
「娘さんですか?お母さんが倒れたんです。今すぐ来られますか!?」


助産師さんは、あわててる感じだった


「はい!分かりましたすぐ伺います」


あたしは、戻ろうと後ろを向いた時


目の前に健太君が立っていた


「緊急?カバンとか持ってきたからいきな!愛斗達には俺が言っとくから!」
「ありがとう健太君!」


カバンと手に取ってあたしは走った









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