Train Love [完]
「・・・あれ?寝てた」


病室のベッドであたしは横になって眠っていた


あれあたし・・・倒れた?


ううん。倒れてない。慎ちゃんだ


「慎ちゃん?」


慎ちゃんがベッドの恥で眠っていた


揺すって起こしても、慎ちゃんは起きる気配がない


ベッドの上で正座して、慎ちゃんをゆすった


「慎ちゃん起きて、ママどこに行ったの?」
「ん~・・・莉子?優子さん?わかんねぇ・・・」


まだ寝起きなのだろう、慎ちゃんはいろんな言葉を話していた


「慎ちゃんねボケてるの?ママどこに行ったの?」
「優子さん・・・たぶん隣の部屋」


慎ちゃんから離れて、あたしは隣の部屋へ行った


病室をのぞくと、ママの周りにはたくさんの友達がいた


みんなママを見て泣いている


やっぱり・・・夢じゃなかったんだ


「・・・ママ」


色んな人の、鼻水をすする音や声が聞こえる


ママに近寄ってあたしは、ママの手を握った


「あなた莉子ちゃん?」
「はい、莉子です。ママのお友達ですか?」
「うん、親友だったの」


親友・・・ママにも親友と言える友達がいたのだと初めて知った


「あの、健史朗さんは?」
「あの男、最終的に優子を裏切ったのよ」


ママを裏切った?


ママの親友はすべてをあたしに話してくれた




< 35 / 217 >

この作品をシェア

pagetop