Train Love [完]
「姫依?何があったの」


あたしの質問に答えようとしない姫依


何があったのか分からないからどう声をかけていいかもわからない


「~・・・っ」


姫依が落ち着くまであたしは姫依の手をしっかり握っていた


数分して、泣きやんだ姫依をグラウンドから離れた所に連れてきた


「何があったの?」


もう一度聞くと、姫依は涙目になりながらこう言った


「姫依、愛ちゃんともう駄目かもしれない。姫依、もう耐えらんないよ」


愛斗くんが浮気してたことはさっき聞いた


「姫依、愛斗くんとあってないの?」
「逢えないよ。姫依、弱虫だから泣いちゃいそうで逢えないよ」


姫依がこんなに恋愛で泣いたりするの珍しい


姫依だって、昔っから恋愛大好きだったわけじゃない


姫依も、本当の恋なんてしたことなかったはず


姫依もあたしも一緒なんだよ


本当の恋を知ってしまって、驚いてるだけ


「泣いてもいいじゃない。だってそれだけ愛斗くんが好きってことでしょ?」


泣く恋もあるんだって、愛斗くんが教えてくれたじゃない


あたしはまだ分かんない泣く恋なんてあることを


どんな気持ちかも分かんないけど、姫依が苦しむところはみたくない










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