Train Love [完]
涼介の返事も聞かずに、あたしは姫依のところまで走った


ちょうど、姫依は着替え終わってあたしのそばに駆け寄ってきた


「そんな不安そうな顔しないの。莉子が隣に居るから」


・・・あっ、莉子って言っちゃった


「えっ?莉子自分で莉子っていうの?」
「ん?ふふっ、いつも優莉の前で莉子っていってるからかな」


癖付いちゃったんだな


そのあと、何も言わずに愛斗くん達の高校へ向かった


電車に乗ってる間、姫依は小さい子みたいにあたしの手を離さなかった


そんな姫依をちらっと見て、あたしは決心付けた


愛斗くんを何としてでも説得させなきゃ


20分ほど電車に揺られてから、目的地の高校についた


高校の前で愛斗くん達を待っていた


愛斗くん達の学校は男子こうだから、女なんて一人もいない


チャラい男子がいっぱいいるだけ


こんなチャラい男子がいっぱいいる中で、健太君がチャラくないのは不思議だ


ちょっと待ってると、愛斗くんと健太君が校門から出てきた


愛斗くん達の前に姿を現した


「莉子ちゃんと・・・姫依?」
「こんにちは愛斗君健太君」


あたしはにっこり微笑んだ


姫依を見ると、姫依は下を向いていた


「あのね、今日は話しをしに来たの」









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