空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
本当にセキュリティが厳しい。
鍵は二重だし……指紋の認証もある。
陽の家はお金持ちなんだ……。
「陽?」
「帰ったの~?」
奥から聞こえる声。
陽が髪をクシャっとしながらため息をつく。
隣にいると、声のした奥のほうの扉からふたりのお姉さんが出てきた、
「うぜぇの両方いた……」
ボソッと呟いている。
さすが……陽のお姉さん。
すごくきれいで美人だ。陽と顔立ちが似てるかも……。
「あら、かわいいお客さんね」
「由美ちゃん以外は初めてね」
「うるせぇよ」
「ふふっ。初めまして。陽の姉の一ノ瀬 紗雪です」
「2番目の姉の一ノ瀬 千紗です」
「あっ……。はじめまして。和泉 絢です」
お姉さんがあたしの頬に触れようとしたとき、陽があたしの腕を引っ張り2階に上がった。
「陽っ!!」と呼び止めているお姉さんを無視して。
2階には3つの部屋があった。
個性的にドアにひとつひとつ色がついている。
ピンクが紗雪さん、赤が千紗さん、青が陽。
ドアにかけてあるプレートに【YOU room】と彫られている。
陽はそのドアを開けた。
「ここ、俺の部屋。適当に座ってて」