空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
それだけ言うと、陽はもう一度1階に降りて行った。
……すごくきれいに片づけられている。
陽の部屋は宇宙関係の模型や本がたくさんあった。
だけど、雑然とした様子はなく、ほどよく飾ってある。
白でまとめられた素敵な部屋。
あたしはソファに腰を下ろした。
しばらく陽の部屋を見回していると、きれいに飾られた写真が目にとまった。
「由美と陽……と……?」
ふたりは小さい頃から一緒だもんね……。
でも、隣の男の子はだれ?
小さい頃から由美は美人さん。
陽は童顔だった。あたしも優との写真はたくさんある。
「由美は変わってないよな。まんま大きくなったって感じ」
驚いてうしろを見ると、陽が戻ってきていた。
「ふっ。写真見るのに集中しすぎ」
そう言って笑い、陽はベッドに腰をおろした。
「陽……」
「由美は昔から性格も変わんねぇよ。男みてぇ」
「ねぇ…… 隣の男の子は?」
「あぁ。塚本 陸。俺と由美のマブダチ。本当なら今も一緒にいるはずだった」
「今は?」
うつむいた陽。
どうしたんだろう……?
もしかしたら、聞いてはいけない話だったのかな。
「亡くなったよ……。小学校3年生の頃に交通事故で……。そのとき、初めて、俺は人の死がこんなに怖いものなんだって知った……」