空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
その後、あたしと陽は別々のバスに乗り、学校を出発した。
途中
休憩のサービスエリアで会う約束をして、一緒に食事をとった。
スキー場に着くとみんなは、はしゃぎだす。
でも……
スキーのできないあたしのテンションは一気に落ち、先生の注意事項も耳に入らず上の空。
説明を聞き終えるとみんなそれぞれ自分の部屋に荷物を置き、その後、コースに散らばっていった。
「……楽しそうだなぁ……」
はしゃぐみんなの顔は幼い。
楽しそうにはしゃいでいるみんなを、あたしはペンションのウッドデッキから見ていた。
由美も奈菜もスキーを楽しそうに滑っている
あたしだけかぁ……。
「……ったく、なんでいわねぇかな……どこにいるかとか。電話にもでねぇし」
「へっ?」
「バカ。俺様がどれだけ探したと思ってんだよ」
うしろを振り向くと、陽が立っていた。
少し雪のついた髪の毛。
「陽、雪ついてるよ」
「払って?」
「もう……甘えただなぁ」
陽のお願いは断れない。
だから、陽に近づいて雪を払おうとしたのだけど……
「陽、届かないよ……」
「絢はチビだもんな」
「あのね、あたしは平均。陽が大きいだけでしょ」
「これなら届く?」
陽はあたしの手の届くように背をかがめてくれた。
陽の髪はサラサラで……
シャンプーの香りがした―――…。
「陽の髪、サラサラだね」
「絢のがサラサラだろ」