空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
陽と優の言葉に、男の子たちは寝返った。
さすがっていうか……なんていうか……。
「俺ら奇跡だな」
「陽、すごい。」
「あ? そんなことねぇよ。ほら教室いくぞ」
あたしたち5人は教室へと向かった。
教室に向かう前、瑞希ちゃんのほうを見ると、唇をかみしめて顔をゆがめていた。
瑞希ちゃんと一緒のクラスじゃなくてよかった……。
あたしはひとりそう思いながら、みんなについて行き、3組の目の前に。
廊下から教室をのぞくと由美がボソッと言った。
「なんか……地味なクラス……」
「あたしたち以外、がり勉」
そういいながらもあたしたちは、それぞれの席に着いた。
陽はあたしのすぐ後ろ。
なんか……背中が焦げちゃいそう。
「絢……集中してろよ」
そんな無理言って……。
あたしの困る顔を見て楽しんでいる陽。
優や由美たちは離れた席で笑っている。
こんな楽しい日が長く続くといいな……。
「放課後、どこか行く?」
「ごめん! あたしは颯太とデートなの」
優の誘いを由美が断った。
颯太くんとラブラブなんだ。微笑ましい。
優はものわかりがよく、あきらめた。
「じゃあ俺らだけで行く?」
「……っあ! あたしと陽も、今日はデートなんだぁ」
奈菜と優はふたりきりになったほうがいい。
だから、とっさに出たあたしの嘘。