空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
「あーぁ。 離したくねぇなぁ」
「……陽?」
「このままずっと、お前といられたらいいのにな」
あたしの気持ちはすぐに読み取られてしまう。
陽が人付き合いが上手なのはきっと
人の顔色や行動を細かく見ているからなんだと思う。
優しさに隠された悲しみ
悲しみを隠した笑顔
笑顔に隠されたあたたかさ
陽はいつだって、人のことを第一に考えている……。
「陽……」
「ん?」
「大スキ……」
こんな陽を見ていると、そんな言葉を口にしたくなる。
気持ちを伝えたくなる。
支えたくなる。
触れたくなる。
追いかけたくなる。
それが人を引き付ける―――――……
『一ノ瀬 陽』の魅力
「そんなん、知ってる」
「うぬぼれて……」
「まあな」
言い返す言葉もなく、少しムスッとしたあたし。
かまってほしくてこんな態度もとる。