空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
あの絵馬を見て、あたしはどうしたらいいのだろう。
忘れようとしてても
また、陽の事が頭に浮かぶ
思い出しては消えていく
あたしはひと晩、ずっと考えていた。
そして翌日。
「あーやー」
「由美……」
「桜樹となんかあったの?」
「優とはなにもないよ………」
「桜樹、心配してたよ。絢から昨日メールの返信ないし、話しかけても考えごとしてるっぽいって」
メールが届いていても
返せる状態じゃなかった。
あの、絵馬の事を考えていたら
「絢」
「優……」
「お前、昨日寝てないだろ」
「え?」
あたしの瞳をじーっと見つめ、頭をなでる。
「目が赤い」
「優……」
小さなことにも気づいてしまう優。
本当に優しい……。
あたしは教室にもかかわらず、優にギュッと抱きついた。
「絢……?」
「優……」
規則正しい鼓動……。安心する――…。