空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
「由美、俺らサボるから。あと頼んだ」
そうして手を引いて教室を出た。
優があたしを連れてきたのは屋上。
風が気持ちいい……
「どうした?」
あたしを座らせ、自分も座る
心配して……一緒にサボってくれたんだ……。
あたしの頬を優しくなでた優。
ねぇ……あたしはどうしたらいいんだろう?
「優、昨日ね……」
「うん」
あたしは昨日見たことをすべて話した。
陽の絵馬のこと、陽は別れるずっと前からあたしの幸せを祈っていたこと。
「それで、絢はどうしたい?」
「あたし……、わかんない……」
「ゆっくり考えな」
優はあたしに考える時間を与えてくれた。
自分にとって、いちばんベストなこと。
あたしは、優を大切にしなくちゃいけない。
ずっと、あたしを大切にしてくれている優のためにも……。
だったら、あたしが今していることってなに?
迷うこと自体が、優を傷つけてしまっているんじゃないか。
考えが浮かんでは消えていく。
あたしは1週間以上考え、決断した。
こんな中途半端な気持ちで付き合っていくなんて……
優を傷つけちゃいけない……。
その決断をきちんと優に伝えなきゃ……
そして、朝の教室で「優……話があるの」とだけ伝えた。
優はなにかを悟ったのか、静かにうなずき、「放課後、屋上で」と言った。