空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
たくさんたくさん傷つける……。
だけど……
あたしはやっぱり陽を選んでしまう。
たとえもう、陽に好きな子がいても、陽があたしを嫌いでも
あたしは陽が……好き……。
放課後
屋上の柵にもたれかかって座っている優。
あたしは目の前に座り、一度深く呼吸をした。
「別れ話なら聞かねぇよ?」
「ごめんなさい……」
「やっぱりそうか……。まぁ、しょうがねぇよ」
なんてひどいことを、あたしはしているのだろう。
頭をなでる優の手は震えていて冷たかった。
ごめんね、優……。
「別れてやるよ」
「本当に……ごめ……」
「謝るな。俺は絢のために別れてやる。お前が好きだから」
爽やかに笑ってくれた優。
でも……
本当は笑えないよね。
あたしのために無理して笑ってくれてるんだよね。
「なんか、あっという間って感じ。でも、楽しかったから」