空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
suspect‐疑う‐
冬休みに入った。
ある日あたしは、驚いた陽の様子に、その理由を聞かされた。
「俺さ、絢といると寿命が延びるらしい」
……!!
陽は宣告されていた余命を過ぎていたらしい。
だからあたしたちは、明るい未来があると信じて疑わなかった。
――――…でもそれは
悪いことが起きる前触れでしかなかった。
「……っ……っ」
陽が苦しんでいる。
あたしはお母さんに教えられていた通り、冷静にナースコールを鳴らした。
すぐに陽の主治医や看護師がとんでくる。
あたしは手をキュッと握りしめて待った。
陽が無事でありますように……
祈りをこめて……
天空に祈りを捧げる
「お母さん……陽っ大丈夫かなっ……」
「しっかりしなさい! 陽君くんは強いから大丈夫よ」
そういってくれたお母さんの手さえ震えていた。
陽は大丈夫……
がんばって陽!
その後、陽は検査やなにかにまわされている。
病室で待っていると
「絢……今日は帰りなさい」
「でも陽は?」
「大丈夫。2、3日もすれば戻れるから」
そしてあたしはお母さんにうながされ、家への道のりを歩いた。
……神社によろう
思いついて、あの絵馬のあった神社に足を運んだ。