空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
次の日から、病院に行っても面会謝絶だった。
そして3日目には面会ができた。
「陽?」
「久しぶりだな」
「大丈夫?」
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。俺は犬並みの回復力だから」
その言葉に、笑いをもらす。
優がいっていた通り。
でも次に陽が発した言葉で、あたしは嗚咽することになった。
「転移してるって……余命2ヶ月。元気なのに信じられるかって感じ」
「……大丈夫だよ! 余命なんてまた……」
「癌が脊髄や脳にまで転移してるって。でも、俺は俺の生命力ってやつに賭けてみようと思う」
その言葉を聞いて、あたしは力強く、陽に語りかけた。
「信じよう? 未来を」
陽が頑張るから、あたしも頑張る
陽が諦めないから、あたしも諦めない
あたしが陽の運命なんて変えてみせるよ……。
陽の笑顔を見ているとそんなことも言いたくなった。
明るくて、あたたかい笑顔は、この世からなくなったりしない。
「俺……。神様に感謝してる。この世界でたったひとりの愛せるやつに出逢わせてくれたこと」
「あたしも……」
このとき
陽はどうして涙を流していたんだろう
そう考えながら、わかったこともある
それは――――……
陽が陰では泣いているということ。
でも
陽が知られたくないと願っているから
あたしは陽の涙の理由を聞いたりしない
陽が話してくれるなら聞く。
それだけ……