空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜


その後、陽は本当に外出許可をもらってくれた。
あたしは、陽と手をつないで陽の家に行く。

お母さんは快く行かせてくれた。





「お邪魔します……」


「今さら緊張してんの?」





こんなにかっこいい男の子と一緒にいて緊張しない子なんていないでしょ……。


陽が1階を案内してくれる。

白を基調としたリビング。
柔らかそうなソファー。
キッチンはきれいに片付けられている。






「キッチンすごくきれい……」


「あー……そりゃ1回も使ったことねぇし」


「ないの!?」


「まぁな。姉貴らは基本、外食だし……。俺は料理作れない」





陽は笑いながら他の部屋も案内してくれた。
ひととおり家の中を見たあと、ふたりでソファに座る。

陽が外出を許可されたのは1週間


お姉さんたちは海外






「なんか……」


「どうしたの?」


「俺が緊張してきたんですけど……」






陽はソファーに座りながらクッションに顔を埋めて、そう言った。
毎日、なにがあっても笑顔を絶やさない陽はなにを思って過ごしているの?






「ね、陽。あたしね、料理下手だよ?」


「俺にくれたお菓子うまかったじゃん」


「お菓子限定。まずくても食べてね」






このとき
あたしたちはまだ幼い17歳

未来のことも、これからのことも


甘く見すぎてたんだと思う



わからない未来を歩みながら
自分の未来を模索していく




なにをしても後悔しないように、あたしができること。




陽と今を生きる。
明るい未来を信じて

今だけを見つめて生きること









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