空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
「絢!」
「……陽っ。部屋にいたんじゃないの?」
ドアのところに陽が立っている。
涙をぬぐって陽に笑いかける
『お前がいちばんに信じろよ!陽のチカラを!』
優の言葉が頭をよぎった
「約束しただろ、約束を俺は破るやつじゃねぇっての」
「怖くてしかたないもん……っ」
視界が揺れた。
陽は片手であたしを自分の胸板のところに引き寄せる。
陽の鼓動は驚くくらい
落ち着いている。
そして、耳元で優しく囁く
「お前がいちばんに信じろ……。俺のチカラをさ……」
「ごめんねっ……不甲斐ないあたしでごめんなさい……っ」
「ホントだよな……。誰のために頑張ってると思ってんだよ」
いちばんつらい陽に慰められて、支えられている。
すると、陽はいきなりあたしをお姫様抱っこした。
「ちょっ?陽!」
「今日は夢、話し合おう?」
「下ろして!あたし、重いから」
「重くねぇよ! もっとちゃんと食え」
陽が泣いて、笑って
そのたびにあたしは心を揺らしていく
もっと強くありたいっていう思いで
あたしの胸は震えている
陽の輝きが消えないように見守る
「陽、好きです……」
「愛してるって言って?」
「愛してるよ……陽」
ベッドに寝転んで話す
あたしたちの夢。
陽はあたしを抱きしめ、微笑みながら聞いている。
近くにいられる……
それ以上の幸せはいらないのかもしれない