空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
明りがあたしたちの瞳を輝かせる
「絢の夢ってなに?」
「医師になって陽の病気を治すの。それで、元気になったら結婚して子ども産んで……」
「それは俺の夢でもあるな」
「子どもの学校行事とかは必ずふたりで参加して、たまには夫婦喧嘩して……あたたかい家庭をつくること。笑顔が絶えない……そんな家庭」
触れるだけのキスを何度も繰り返す
体温が伝わる
なにげない日々、時間でも
陽となら……輝いて宝物
「陽の夢は?」
「絢の夢を叶えてやること」
「それだけ?」
「絢の夢が俺の夢。絢の願いは俺の願い。いつだって運命共同体」
「じゃあ、夢追加!!」
こんな会話をして眠りにつく。
陽といられることはあたしにとって、よくも悪くもプラス。
あたしたちにとって、悪いことでも……
それがあるおかげで強くなれるし……新しいなにかにつなげられる。
プラマイプラス
マイナスなことは何一つない。
マイナスになることもない
プラスにつながるものだから。
「いつかきっと叶えてやる」
「うん」
そういってあたしの髪をなでた。
冷たい手は、あたしの元気の源になる。
それが陽のチカラ
でも―――――……
陽が言った
『いつかきっと』
それは永遠に来ない
それでも、信じたかった