空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
「泣くな……笑え……天国で見守る俺に……最高の笑顔が……」
陽の声が途切れていく……。
行かないで……
あたしをまた……おいて行かないで
「届くようにっ!幸せだった……。ありがとう……」
「……ありがとう……」
「……呼んで……?俺の名前……。それで……空を見てこい……」
「陽っ、大スキだよ……っ」
陽に言われた通り、空を見に窓に駆け寄った。
星……きれいだね。
ピーッ……!
陽の心臓が止まったことを示す機械が鳴り響いた。
振り向くと、
陽は静かにきれいに微笑んでいた。
いや
行かないで……
また、ひとりにならないで……
ひとりにさせないで……
「陽! 約束したよね……破らないんでしょ……」
微笑んでいる顔が『ごめん』そういっているように見えた。
お母さんや、その他の看護師
主治医の先生が病室に戻ってくる。
泣き崩れるあたしは……
お母さんに支えられた。
まだ、あたたかいんだよ?
やだよ……。陽……
どうして、起きないの?
また……抱きしめてよ?
「22時…15分…ご臨終です」
どうしたらいいのかわからない……。
涙は枯れない
流れ続ける涙……。