空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
試合開始。
――ピーッ。
試合開始の笛が鳴り響く。
そして、ジャンパーの弾いたボールが陽の手に渡った。
陽は落ち着いてドリブルをしながら微笑む。
「さぁ、1本行こうか」
陽のひと言にチームのみんなの目の色が変わった。
真剣そのもの……。そして……
――ピーッ。
先に点を取ったのはあたしたちの学校だった。
前半で30得点以上離している。
汗をかいて必死の陽……。
いつも余裕のある陽がバスケの試合では必死になる姿が、かっこいい……。
また、好きの気持ちが積もる。
そして、前半終了の10分のハーフタイム。
「陽ー!すげーよ」
「先輩、お世辞は勘弁してください」
「お世辞なんて言わねーよ」
「ありがとうございます」
先輩にほめられ、うれしそうに笑っている。
その様子を見ていたあたしに、
陽が近づいてきた。