空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
「あたしには陽がいるし、由美もいる。優も奈菜もいるから大丈夫!!」
「……本当に大丈夫なわけ?」
「心配してくれてありがとう。本当に大丈夫だから」
嫌がらせが唯一なくなるのは、
陽があたしのそばにいるときだけ。
陽が学校をサボったり、近くにいないときは必ず……
物がなくなったり、足をひっかけられたりする。
いつか、この嫌がらせもなくなればいい。
そう思いながら毎日をすごしていた。
「今日、部活見にくる?」
「陽、ごめんね。今日は奈菜と先約があるの」
「そっか」
「明日見に行っていい?」
「もちろん。 あんまり遅く帰るなよ。あと、危ないところに行くな。それと―……」
「わかってる!! 夜、連絡するね!」
見た目に似合わないくらい陽は心配性。
まるで、お父さんみたい。
そんな心配性の陽に笑顔で手を振った。
奈菜と校門で待ち合わせていたため、急いで校門に向かう。
奈菜はやっぱり、あたしより先に校門にいた。
「奈菜! 待った?」
「全然!! さっきまで桜樹くんと話してたの」
「そっか」
「それより、平気? 一ノ瀬くんと一緒だったんでしょ?」
「大丈夫!!」
「行くな、とか言われなかった?」
「陽はそんなに厳しくないよ~」
今日は奈菜とショッピングに行く。
制服でのショッピングは女子高生っぽくって大好き。