空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
学校の最寄駅から2駅のところに、大型のショッピングモールがある。
お年寄りから小さい子まで楽しめるショッピングモール。
「絢にずっと聞いてみたいことがあったんだけど……」
「なに?」
「一ノ瀬くんって絢の前でどんな感じ?」
「んーっと、優しいかな。意外と照れ屋で心配性」
陽の照れて赤くなった顔はかわいい。
普段のかっこいい陽とはぜんぜん違う……。
心配性だし、お父さん?みたいな時もある。
「そうなんだぁ。なんか見てみたいかも!!」
奈菜がニコッと笑った。
クラスの端っこに静かにいる奈菜より、明るく笑っている奈菜のほうがいい。
とてもかわいらしい女の子だ。
ショッピングモールは2駅だからすぐに到着する。
「何回来てもやっぱり広いよね」
「ほんと……。 絢は見たいお店ある?」
「あたしはいつも気になっているお店があるんだけど、あとでいいから、奈菜の見たいお店から行って?」
「じゃあ、そうするね!」
そうして、奈菜の見たいお店にあたしもついていく。
そして、最初に来たのはヘアアクセサリーのお店。
「あたし、絢がくれたシュシュ大事にしてるの」
「そうなの?」
「うん!! 初めて友だちにもらったものだから!!」
カバンから出して見せてくれた。
文化祭の日……。
奈菜に声をかけてよかったな。
奈菜と友だちになれてよかった。