子猫が初恋提供します。




じわりじわり…そうだよ、そうなんだよ!と心の中で繰り返しながら自分に実感させてやる。



その度にむずがゆい気持ちになってベッドで暴れた。



蓮が言った通り、好きの自覚がなかったのが嘘みたいだ。



はっきりと自覚してしまえば、あたしの心はすっかりと夜でいっぱいだった。



ねぇ…明日、どんな顔して逢えばいい?



にっこり笑っていたいけど、照れくさくてうまく笑える気がしないよ……夜。



逢いたいな…。



早く明日になれ。



恥ずかしいな…。



やっぱりもうちょっとそこにいてお月様。










「~~~っ。」



うわぁ…大変だ。やっぱり今日は壊れてる。



「………。」



顔を出してチラリ窓に目を向けた。



カーテンの隙間にうまいこと、まんまる…お月様。








…明日、うまく笑えますように。









これは本当にお願いしますよ。……お月様。










乙女モードにあ。




浮かれてるからしょうがないの。



今日くらいは見逃してくださいね。








< 103 / 256 >

この作品をシェア

pagetop