子猫が初恋提供します。
「ママ…!!
くまってどうやって消すの!?」
リビングでパパと仲良くソファにかけて、コーヒーを飲んでるママに泣きそうな顔ですがり付く。
「くま…?…あぁ!珍しいね、眠れなかったの?」
飛び込んだあたしになんのことだって顔をした後、あたしの顔を覗き込むと納得して目を丸くした。
「いいからこれの消し方教えてよぅ~!」
それどころじゃないあたしはせっかちにママの手を揺すった。
「このくらいなら冷やしたタオルあてればすぐに……、
…何でそんなに気にしてるの?」
「……!」
鋭いママの一言に、やっぱりわかりやすくビクと肩を震わすあたし…。
「いやっ、だって、女の子だしっ!」
わたわたと言い訳をするあたしにママが面白そうにあたしにそっくりな目を輝かせる。
「今まで寝癖ついてても気にしなかったにあが?」
「……!」
それにグッと言葉が詰まる。
あたしって…ほんとに子供だ…と、情けな~い気持ち。
そんなあたしの後ろでは、
パパがコーヒーカップを持ったまま微動だにせず青い顔をしてあたしを見ていた……。