子猫が初恋提供します。




「ねぇ、見たっ?」



「見たーっ!ちょーヤバい!」



「……?」



教室に近づくごとに何だか生徒達の様子が、ざわざわと落ち着きなくなってくる。



…特に女子の。



なんとなぁく…想像ついた、かも…。



さっさと教室の扉に手をかけて、すたすたと蓮が教室の中に入る。



それに続いて足を踏み入れると…










「まだにゃあ来ないのかー…?

…もう俺待てない。ガマンきらい。」











あたしの机を陣取った…黒く艶々した頭の主が、だらしなく机に突っ伏して何やら文句を言っていた。









「…来てからずっとああなのよ。

あれを見に来る女子も加えて騒がしくてしょうがないわ。」



「……!」



…ずっとにゃあにゃあ言ってる…蓮に囁かれて、あたしは爪先まで真っ赤に染まった。









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