子猫が初恋提供します。
――――ガタッと勢いよく席を立って、目が眩みそうなキラキラ笑顔で……飛び付かれた。
「おせーよ…にゃあ、俺ちょー早く来たのに。」
「……!」
あたしをぎゅうと抱きしめて耳に囁く夜の甘い声に…笑いは途端に引っ込むと
今度はおなかの辺りがムズムズしてきて、じわじわと熱がやってくる。
「……にゃあ、おはよ。…可愛い。」
「~~~!」
もう言葉も出せずに真っ赤に染まるあたしを、夜は容赦なく更に沸騰させようとするかのごとく覗き込んで至近距離からとろけそうな笑顔をくれた。
そしてすぐにいたずらっ子のような顔になると、あたしのほっぺたをツンとつつく。
「真っ赤ー。…そんなに俺が好き…?」
「……す…っ!?」
ニヤリと笑う不適な笑みさえ目が眩む。
わかってるんだったら止めて欲しい。
夜に逢ったらどんな顔を…だとか、色々色々考えていたけれど
実際は一つしか出来ないことを忘れてたよ。
「にゃあ…」
夜がこれまた赤いだろうあたしの耳に口を寄せる。
「…でも俺のほうがいっぱい好き。」
「……!!」
その得意気な表情が、夜の大人びた顔を可愛く見せて…胸がたまらずきゅんと鳴く。
夜の傍のあたしはいつでも、
いちごに負けないくらい真っ赤で
…口に出してもいないのに、好きが顔に……出てる。