子猫が初恋提供します。




「………ぷ…っ、はぁっ!!

……何すんのーーっ!?」



やっと離れた唇に、あたしはハァハァと息をつきながら涙目で彼を見た。



相変わらず平然とした彼は、これまた相変わらずキョトンとした顔で……



「……つい。」



「…………。」






………つい?







えぇ~~…?『……つい。』であたしは初ちゅうを奪われたのか…?



なんだもうこいつ………。



がっくりと項垂れる。



長いキスの余韻もプラスされ、あたしからはドッと力が抜けていった。



「………!」



「………?」



だけど、あたしはハッと気づき顔を上げて彼を見た。



さっきのすげぇ動悸といい、これまでの数々の珍行動といい………



この人……








病気なんじゃあ…!!?








「ほっ、保健室ーーっ!!

あんた絶対に病気だよっ!?…保健室行こう…!!」



「俺は病気だったのか…。」



微かに目を見開いた彼は、それだけつぶやくと手を引っ張るあたしにすんなり従い歩きだした。








「なんなんだーーっ!今日はぁっ!?

てか…っ、保健室ってどこだよぅーーっ!!?」



「………。」











晴れがましいはずだった入学式の日。



こんくらい嘆いたってバチは当たるまい。










まさかまさかで……











変なイケメンに、噛みつかれた。










「……そこ右。」



「曲がる前に言おうよ!?」









いや、むしろ入学式をサボった…バチか?







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