子猫が初恋提供します。




夜は本音の塊だ。



素直でまっすぐだから善くも悪くも直球だ。



相手に対して嘘もつかなければ媚びへつらいもしない。



…だから夜の言葉は不思議と信じてしまえる力がある。



きっと、夜は篠崎先輩を信用してて…好きなんだろうな。



そして、彼に似てる蓮を信用出来るいいヤツだって思ったんだろうな。




「……な…何よ…っ、あんたってほんとに調子狂う…!」



珍しく赤い顔をして、蓮はそっぽを向いたけど…その雰囲気にトゲトゲしさはなくなってた。



「そうか?」



夜は自分の発言の威力を知りもしないから、蓮の言葉にきょとんとしてる。



あたしは…『さすがはにゃあの友達だ』って、自慢の親友を夜が褒めてくれてすごく嬉しかった…。



夜が言った通りなんだよ。



キツイ言葉も態度も…本気であたしを思ってくれてるのがわかる。



蓮は友達を大事にしてくれるいいヤツなんだよ。



夜が気づいてくれてあたし…ほんとに嬉しかった。



「……。」



つい、じっと見つめてしまった。



「…?なに?」



気づいた夜は不思議そうにあたしを見つめ返した。



子供のように清んだ黒い瞳にドキッと胸が跳ねる。



ドキドキしたまま口を開いた。











「ほ…惚れ直してました……っ」



「…!」










夜の傍では、誰もが素直になれるから。



あたしも…あやかってみようかな。









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