子猫が初恋提供します。




「帰りましょーね~?にあちゃん。

あ、蓮さんにゃあの荷物取ってー。」



ニコニコな夜が蓮に向かってちょいちょいと手招きをする。



「はい、どーぞー。おやつに甘いもの与え過ぎないでくださいね~?」



蓮は抗うことなくあたしのスクバを夜に手渡しながら、まるで保育士さんみたいな口振りでそんなことを言う…。



「ご心配なくー。俺の愛をたっぷり与えときますー。」



「げぇ……砂吐きそう~…。」



「……。」



黙って聞いてましたけど…。(因みにずっと抱っこされたまま)



ねぇ……ナニその会話…。



「じゃあな、蓮さん。連れて帰りたいのガマンしてちゃんと送り届けるから。」



「相変わらず隠すことを知らないヤツね…。」



夜と蓮のそんな会話を最後に



あたしは夜に抱き抱えられたまま、みんなから生温かな視線を背にその場を後にした…。











そして下駄箱にて。



「あの~…いい加減自分で歩きた…」



「このままですよー?にあちゃん。」



「…下りた……」



「ダーリンがお靴履かせてあげましょーねぇ~?」



「………。」










さてはコイツ……あたしを子供扱いして楽しんでんな…?








夜の《にあちゃんのお世話ごっこ》は暫く続いた…。









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