子猫が初恋提供します。
なかなか解放してくれない夜に何とか下におろしてもらって、今度は手を繋いで歩く。
あたし的にはこれだってちょうドキドキだ…っ。
ほんとにほんとに、ちゃんとデートみたい…!
このあたしが信じられない。
「ど…どこ行くの?」
ドキドキうるさい心臓の音が聞こえちゃわないかと気にしながら聞いてみた。
「んー?…どこでも。にゃあと歩けるだけでいー。」
「~~っ!」
夜はにっこり笑って言ってくれた。
その拍子に繋いだ手がぎゅっと強く握られて…応えるようにあたしもおずおずと大きな手を握り返した。
不意に感じた視線にハッと顔をあげる。
「……嬉しい。」
「……!」
…笑顔の夜があたしを見てた。
ムズムズしたむず痒いような感覚に包まれる。
胸はキュンと音を立てたに違いない。