子猫が初恋提供します。
すれ違った綺麗なお姉さん二人組が揃って夜を二度見した。
下校中の小学生の女の子達が横を通り過ぎると、夜を指差し顔を赤らめてきゃあきゃあと可愛くはしゃいでた。
歩きながらチラチラ…ううん、めっちゃくちゃ視線を感じる。
夜の周りはピンク色した視線や会話が満開の花のように咲いている。
「……。」
隣にいる渦中の人をチラリ見上げる。
初デートの緊張も相まって、ぎこちないあたし…だけど本人は普段となんら変わることなくどこ吹く風で…
「にゃあ、猫だ。チビ猫、にゃあみたい。」
「チビ猫じゃないっ!」
…お家の塀をすまし顔をしてちょこちょこ歩く子猫を目で追っていた。