子猫が初恋提供します。




ジリジリ近づいてくる夜に対して、あたしがその分後退る。



「だ…だからあたしは猫じゃないし……っ」



焦るあたしに夜が大袈裟に溜め息をつきながら、わかってないとでも言いたげにゆるゆると首を振った。



「だから俺はチビ猫で我慢しよーかなぁ…って思ってたのに、チビ猫いなくなっただろ?

そしたら俺、我慢大キライなんだからちゃんとにゃあがぎゅうさせてくれねぇと困るだろ?」



「……!?」



なっ?とドヤ顔されても……



なんだ…そのめちゃくちゃ勝手な理由!!



唖然と固まるあたしに夜はにっこり花でも背負っていそうな笑顔を咲かせた。



「にゃあのせいなんだから責任とれ。」



「………。」










あたしのせいとは何ですか……。



しかもそのセリフ…今日、二度目だ。









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