子猫が初恋提供します。
唖然としていたその一瞬の隙に夜の瞳がキラリと光り、長い腕はあたしに向かって伸びていた。
「…捕まえ、たっ!!」
「ふぐうっ!?」
がっちりと巻き付いて、顔は思いっきり夜の胸に押しつけられて、あたしの視界は夜に目一杯遮られた。
「癒されるー…」
夜はあたしの頭に頬を寄せて、スリスリスリスリ…
抵抗もなく直立不動なあたし。
…だって
ダイレクトに伝わる制服ごしの固い胸の感触やら温かな体温やら、ふんわり香る夜のいい匂いに…あたしの頭は沸騰中もいいとこで。
「にゃあ、ふわふわ、かわいい、いい匂い、ちょー好き、…持って帰りてぇ…」
…正になすがまま。
「…ちゅうしていい?」
「……!!?…だっ…だめ!!」
「…チッ」
危うくのまれるとこだった……。