子猫が初恋提供します。
☆予測不能のイケメン様
必死で歩いてるけど、さっきから変則的なこの人の説明のせいか…
一向に保健室にたどり着きませんけど…。
通り過ぎた後に『右』だ『左』だ言うなよっ!?
つーかさ、
あたしとこの変なイケメンを二人っきりにしないでくれよ!!?
初対面でいきなりのっかるわ…
き…っ、キスするわ……!!!
あたしの…っ、あたしのファーストキス……!!
大好きな人とそれはそれは甘~いキスを……、なんて夢見てたのに……!!
現実はロマンチックの欠片もないっ!!
「………。」
思い出して……ずぅんと落ち込んだ……。
なに?このありえない情況……。
入学早々呪われてんの?
結果的にだけど…入学式サボって寝てただけでこの仕打ちはあんまりだよ……神様……。
思わずうちひしがれて歩みも止まる……。
それに、彼も黙って足を止めた。
もう…ほんと嫌だ……。
じわり…瞳が潤みそうな
――――その時だった。
「あーーっ!!
…こんなとこにいやがったのかっ!?」
「……!!?」
そのでっかい叫び声に潤みかけた涙も一瞬で引っ込み、その場に縫い止められたみたいに…固まった。