子猫が初恋提供します。




「……」



蓮は変わらぬ表情のまま無言で相槌すらしてくれない。



いや、なんか恐いんすけど…蓮さん。



蓮の背後にモヤモヤと黒い影が蠢いていそうなほどブラックなオーラ背負ってるんだけど…!



「れ…」



「にゃあちゃん!久しぶりだねぇ?覚えてる?夜の幼なじみの篠崎嵐だよ~」



ただならぬ様子の蓮に声をかけようとしたところで、かぶせるように笑顔の篠崎先輩がやって来た。



「あ…えっと、お久しぶりです…」



その笑顔に圧されるように戸惑いつつ返事を返した。



話なら夜から色々と聞いてるけど…。(それもあんまいい話じゃない)



「相っ変わらずの美少女ちゃんだねー。校内でも超噂になってるよ?」



あたしをまじまじと上から見つめながら篠崎先輩はにっこりと笑顔を見せた。



そして、ゆっくりとあたしの隣に視線を移す。



あたしの隣には、今すごく不機嫌な蓮が居る。



「…美人のお友達と一緒にね。

久しぶりだね?蓮ちゃん」



「え!?」



その言葉にびっくりしたあたしをよそに、篠崎先輩は蓮に向かってにっこりイケメンらしい爽やか笑顔を向けた。



待って!待って!待って!?



あたしは軽くパニックだ。



だって“久しぶり”って、何っ!!?



ものすごく戸惑って蓮に勢いよく振り返った。



蓮はといえば…



「……」



むっ、無言なんですけど!?







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