子猫が初恋提供します。
なんとも微妙な空気が漂っている。
この二人まさかの知り合い!?
でも、蓮からそんな話は聞いたことがないよねぇ…。
あたしは戸惑いながら一人そのことをぐるぐる考えていた。
しかも親しげな篠崎先輩に対して蓮のこの態度…。
にこやかに笑う篠崎先輩を、蓮は明らかに睨み付けている…。
いったいどんな知り合い?
「にゃあちゃん」
「!」
首を捻っているあたしに、相変わらず笑顔を絶やすことなく篠崎先輩が右手を差し出した。
「夜の彼女って俺でも本当に初めてで嬉しいよ。これからよろしくね?」
「あ…、よ…よろしくです…」
王子スマイルで手を差し出した篠崎先輩に、胸に渦巻く戸惑いを何とか抑え、どぎまぎしつつ握手に応えるべきなんだよね?と右手を伸ばす。
その瞬間、今までイスに座っていた夜が素早く立ち上がった。
「ダメ!」
「痛ーー!なにすんだ!?」
そして手を握る直前で篠崎先輩の手は夜にパシン!と叩き落とされる。
「嵐に触ったらダメ。こいつが触れるだけでダンゴムシも妊娠する」
「ひどすぎるぞ……」