子猫が初恋提供します。




思わず勢いよく篠崎先輩を振り返る。



篠崎先輩は何も言い訳することなくただ困ったような顔で笑っていた。



「いやぁー、おあつらえむきに可愛い子と二人っきりな上ベッドまであるからさぁ。
でも、キスしようとしただけ。
だいたい、蓮ちゃん俺のすね思いっきり蹴って逃げたじゃない」



あれは痛かった…そう言って篠崎先輩は平然ととんでもないことを認めた。



「当然でしょ!?さすがは藤間夜兎の幼なじみ!最っっ悪っ!!!」



夜を持ち出されて微妙な気持ちになりつつも、蓮の怒りはもっともで、次の日の半端ない切れかたはコレが原因だったのかとあたしはようやく理解した。



あの日の蓮は珍しく歯切れの悪い感じだったんだよね…。



まさかそんな目にあってたなんて……!







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