子猫が初恋提供します。
★放課後は本気の予感2
【side夜兎】
「よーーる!いい加減にしろよ。もうすぐ試合始まっちゃうだろ?」
「……」
机に突っ伏した俺に嵐がまとわりついてウザイ。
俺は無視を決め込んでチラッと視線だけ動かしてみるけど、嵐と目が合うとプイっとそっぽを向くを意図的に繰り返してる。
「〜〜〜っ、夜ーー!」
にゃあとのイチャイチャを邪魔した罪は重いのだ。
だって俺の優先順位は1ににゃあ、2ににゃあ3と4もにゃあだし。嵐とかケツから数えたほーが絶対はえーし。
「やだ。俺もーにゃあとイチャイチャしながら帰る。だいたいお前が勝手にバスケ部と約束したんだろー。お前が試合出ればいいじゃん」
「それが出来たらお前に頼んでないだろうが!…あっ!夜!?」
しびれを切らした俺は荷物を掴むと椅子から立ち上がって、スタスタ教室のドアに向かった。
嵐も慌てて立ち上がって、負けじと俺にすがりつく。
「今回3年の新堂(シンドウ)先輩達この咲学との試合にかけてるんだよ!
あそこのバスケ部年々タチ悪くなってて実力鼻に掛けてやりたい放題でうち馬鹿にしてるし…なのに先輩怪我しちゃって、今回だけはプライド捨ててお前に頼んでんだぞ!」
「……」
もっともらしいことを並び立ててはいるけどなー…
「…おまえ、バスケ部にいくら貰ってんの?」
「!!」
ヒクッと嵐の眉が動く。
カマかけたつもりだったけど確信に変わった。
この腹黒い男がただでンなめんどいこと引き受けるなんて思わない。
「ハイ。真っ黒王子様さよーならァー」
「わわぁっっ!!」
俺は今度こそ嵐の横をさっさとすり抜けて教室を出た。