子猫が初恋提供します。
間違いだったら恥ずかしいし…どんな反応を返せばいいかわからない。
(あ……今、)
そしたら、夜が一瞬、フッ…て嬉しそうな顔をした。
『『キャー!』』
あたしが惚けて考えてるうちに、相手チームの人達が体育館に入って来ると体育館内にまた女の子達の歓声が上がった。
夜の視線もそっちにいってしまった。そしてすぐに自分のチームのベンチに行って、何かバスケ部の人に話しかけてる。
その人は痛々しく足にギプスを付けていて夜はこの人の代わりに試合に出ることになったのかなと推理する。
あたしも何となく夜の敵になる彼らに視線を向ける。咲学のユニフォームの一団はなんだかダラダラしてて、見た目はバスケ部らしく長身で華やかだったけど、やっぱり好印象はないなぁと思ってしまった。
そのまま蓮の方を向くと、蓮が露骨に嫌な顔をしていた。視線の先を追うとベンチにダラりと身体を預けて座っていた咲学バスケ部の人が、急に身を乗り出してこっちの方を指さしたりしてる。
美人の蓮に対しての反応な訳か。
よくあることだからなぁ。いつも蓮は本当に迷惑そうにしてるけど。
美人は大変だなぁと一人納得していたら、…視線を感じた。
夜がまたあたしを見つめている様にこっちを見てて、ーーー今度ははっきりと笑顔になった。
びっくりして目をまるくしたあたしをよそにスタスタと相手チームの前に行っちゃった。