子猫が初恋提供します。




渡そうとした…………んだけど。



「………!?」



「………。」



はっ、離れーーんっ!!?



「………。」



あたしの手を、ぎゅっと握ったまま…まったくもって離してくれない……!!



「…ちょ…っ!?……っ」



なにすんのっ!?



…て、文句を言おうとしたら



「どこ行くんだ…?」



「……!?」






なんか……



切なげな瞳で、ぎゅっとまた手を握りしめられながら……言われた。



そんなの…教室に戻るに決まってるじゃん…。



なのに、



「………っ!」



握りしめられた手が熱い……。



それはじわじわと侵蝕し…あたしの顔まで熱くする………。



言いたい事は山のようにあるのに、言葉が、出てこない。



ほんと困るよ…っ



あたし、こんなの慣れてない……!



どうしたらいいか……わかんない。



パニックに、いよいよほんとに瞳が潤んでしまいそうになった。






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