子猫が初恋提供します。




「俺気にしないのにー」



ぶーぶーと不満げに唇を突き出した夜を颯爽とやってきた篠崎先輩が苦笑しながらたしなめる。



「お ま え はね。にゃあちゃんのことしか見てないし?でも、にゃあちゃんはここじゃあかわいそうにイイさらし者だって」



あたしはそれに激しく同意の意味を目一杯込めて、ぶんぶん大きく首を縦に振った。



あぁ~、篠崎先輩!今まで夜にトンデモナイコト吹き込む不埒もの(ひどい)だと思っちゃっててごめんなさい!!
今の先輩は何だか救世主にしか見えません~!



あたしはこれで助かったなんてすっかり安心してたんだけど…



「……」



ずっとあたしの隣にいた蓮は、篠崎先輩を胡散臭げなものを見る目で睨みつけるように見ていたのですよ。



そして、夜をこんこんとたしなめていた篠崎先輩が……にこ~っと、笑った?




「……だからさぁ、頑張った後のごほうびってことで、どうかなぁー?って♪」



「ごほうびっ?」



すかさず食いつく夜に優しい王子様スマイル全開の篠崎先輩…



アレ?



さっきとうって変わって、嫌な予感しかしないんだけどー!?








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