子猫が初恋提供します。


「なんだ、二人ともいたのか。にゃあ、うちの《うさ》と《しろうさ》と《ハル》だ」


夜は暢気に笑って家族の自己紹介をしてくれたんだけど、それじゃあよくわかんないよ…。

当然夜のママもお姉さんもパパもそう思っていたようで


「夜くん、お母さんでしょ?」

「お姉ちゃんよ!」

「いーじゃん別にー。なぁ?ハル」

「……父さんだ」



全員にツッコまれてるんだけど。
夜ってさ、家でも夜だよね…。ブレぬマイペース凄すぎるんだけど。


ちなみに《うさ》は夜のママ、雪兎さんのあだ名で、《しろうさ》はママに似てる白羽お姉さんのあだ名。
《ハル》は藤間時春(トウマトキハル)と言うパパのあだ名らしい。
白羽お姉さんはママパパって呼んでるけど、夜はちっちゃい時からこっちなのだとか。

そんでもって極めつけ


「えっと、あらためまして、はじめまして!橘にあですっ」


「「「!?」」」


仕切り直す様に頭を下げて、ガバリと上げたあたしの自己紹介に一瞬固まる、夜を除く藤間家のみなさん。


「?……あの~?」


変なこと言ったっけ?名前言っただけだよね?なんて戸惑うあたし。


「「《にゃあ》ちゃんじゃなかったの!!?」」


…………。



「《にあ》ですぅ~~(泣)」


本名《にゃあ》ってなんですか(泣)。


「夜、本当におまえは…」

「なにが??」

さっぱりわかった様子のない夜に、夜パパがため息混じりに片手で顔を覆う。

ほんと怒ってやってください!パパさん!!

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