子猫が初恋提供します。
「いらっしゃい」
「お、下ろすとこ違うっ!!」
あたしは夜の部屋の、ベッドの上にいた。
ベッドに座らされ、両端には逃がさないとばかりに夜の腕の檻。
焦ってばかりのあたしの顔を覗き込んで、夜はやっぱりご機嫌だ。
「最高ですね」
「何が!!?」
初めて入った男の子の部屋ってだけでドキドキしているあたし。
散らかったりなんてぜんぜんしてなくて、モノトーンでまとめられた夜らしいシンプルでオシャレな部屋だった。
そんな部屋の黒いベッドに座らされているんです。初心者には難易度が高いよ。そっちのソファに座らせてと恨めしい視線を投げた。
「問題です」
「も、もんだい?」
いつもどうりに突拍子もない夜。
あたしが座るベッドの両脇についた手をぐっと伸ばして距離が近づく。
あたしの目をじっと見つめて夜の綺麗な黒い瞳がいたずらっ子みたいに楽しそうに輝いた。
「俺が今考えてることはなんでしょう…?」
「あ!」
あたしの顎に指をかけ、夜の吐息を感じるほどに距離が近づく。
「…答えて」
「っ」
耳元で囁かれた少し掠れた甘い声があまりに色っぽくて、背筋から震える様な感覚がした。
「そ、そんなのわかんない」
「ふぅん?」
冷や汗かきながら誤魔化すけど、夜がそれを許してくれるわけはなくて、いじわるくあたしを見つめて面白そうに笑う。
「正解は…」
「ひゃっ!?」
また耳元で囁かれてくすぐったいみたいな変な感覚にビクッと身体が反応してしまう。
そんな慣れない感覚は初めてで、それだけでも恥ずかしくてたまんないのに、夜はさらにあたしを追い詰める。
「キスよりえっちなことしたい」